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イタセンパラという淡水魚がいます。淀川と岐阜県・富山県の河川のみに分布するコイ科タナゴ亜科の魚ですが、今何処の川でも絶滅のおそれが強くなっています。淀川では支流の木津川と淀川下流部のタマリ・ワンド群が主な生息地です。しかし木
津川では業者による不法乱獲によりほとんど絶滅しております。淀川下流部では、旧淡水魚保護協会を中心とするエコロジストの努力によりワンドの一部が保全されたの
で、かなりの数のイタセンパラが生息していました。
ところが83年に淀川大堰が完成して水位が上昇して、湛水域が形成された結果、従 来は年間を通じて3メートル以上の水位の変動があった のが、最大80センチ幅に減ってしまったのです。 最近の研究によると、イタセンパラは河川氾濫原にすむ魚であって、その生息には激しい水位変動を必要とします。.湛水化により水位変動がなくなるか、鈍化すると、生存できなくなります。すでに現在淀川下流 部では絶滅に近い状況になっています。 対策はあるのです。湛水域の水位を、自然状態に近く変動させればよいのです。大阪府の水道の取水口が水位の上の方についていますが、これを下の方に付 け替えればよい訳です。ところがいろんな利害が複雑 に絡み合っている上に、付け替えには膨大な費用がかかるから、絶対にできないと行政は言います。.建設省は環境問題に力を入れると称して いるのに、実情はこのさまです。 熱心な研究者が何回も交渉したがうまく行かず、なしくずしに諦める方向へ進んでいます。このまま進めば淀川下流部のイタセンパラの絶滅は必至です。不思議なことにメディアもこの問題に触れようとしません。 そして繰り返しますが、これだけ環境問題がやかましい折に、淀川下流部のイタセンパラは、ひっそりと絶滅しようとしているのです。 今は役人も研究者も避けたがっているようですが、この問題を伏せてやり過ごすのでなく、公然と議論する場が必要です。志ある方々の積極的参加を強く期待します。 |