前期の報告で8月11日に琵琶湖博物館で川那部浩哉館長の主催する「淀川の希少魚に関する情報交換会」が開催され、研究者と行政関係者12名が出席した旨を述べました。その結果イタセンパラとアユモドキの生息の危機的状況が認識され、川那部館長が9月中旬までに各自意見書を提出することを求めて、散会しました。紀平肇・河合典彦に私と高田昌彦は意見書を提出しましたが、他からは何も出されなかったそうです。理由は分かりません。対策が立てにくかったせいかとも考えられますが、これでは保護は進展しません。
 そこでたまりかねて11月9日付で小池百合子環境大臣あてに「淀川に生息する希少魚絶滅防止のための緊急要請」を出しました。その要旨は、イタセンパラとアユモドキ両種の絶滅のおそれの強い現状を説明した上で、至急に対策を取られたい旨を要請したものです。 要請に対する回答は、12月9日付で自然保護局野生生物課より寄せられました。その回答の趣旨は、先ず当方の関心に謝意を表した上で、現状の保護の進展状況を説明して、最近の取り組みに関しては近畿地方環境事務所の責任者から説明をきいて欲しいというものでした。そこで12月20日先方の事務所に野生生物課長徳田裕之氏をたずねて、一時間余にわたって説明を受けました。河合典彦と高田昌彦が同席しました。
 まずイタセンパラについては、木津川下流部と樟葉ワンド群について話はあまり進まず、下流の城北ワンド群について再生の方法を検討するとのこと。淀川に驚異的に増えている外来魚については、行政として扱いにくい印象でした。次にアユモドキについては、現在地元である亀岡の行政が非常に協力的であるとのことで、その対応に期待している印象でした。なお次回の「淀川の希少魚に関する情報交換会」に出席を依頼したところ、その承諾を得ました。
 以上が17年後期に私共が得た貧しい成果です。幸いに環境省が私共の訴えを取り上げて頂いたので、何等かの見込みが立ちそうな状況ですが、少なくともこの期間に進展はありませんでした。
 さてここで平成18年度の展望を述べるべき段階に達しました。
 イタセンパラとアユモドキ、この2種の危機的状況にある淡水魚について、私共は一応イタセンパラに集中すべきであるとの結論に達しました。アユモドキについてはまだまだ懸念材料はあります。ことに本種の生息地である曽我谷川下流部の住宅用地計画は、地元の要望事項ですから、そう簡単に消えそうにありません。しかし環境省の現場が地元の協力姿勢を評価するのであれば、一応それに敬意を表して静観すべきでしょう。
 イタセンパラに関しては、現在までの関係者よりの聴取と私共の受ける印象では、淀川の状況はかなり絶望的で然るべき対策もないようです。特に問題となるのは外来魚の脅威です。ブラックバスとブルーギルの2種で、一昨年秋の調査では推定で淀川の全魚量の35%を占めています。これらの絶滅計画を立ててそれを実践しなければ、イタセンパラの復活は不可能です。しかし行政には外来魚対策を実行する意思も能力もないようです。昨年6月に特定外来生物法が施行され、ブラックバスとブルーギルが特定外来生物リストに記載されました。しかし外来魚駆除の具体的な動きはまだ全くありません。
  そこで私共は及ばずながら民間の活力を結集して、淀川の外来魚対策に立ち上がることを決めました。まだ具体的なやり方は決めておりませんが、コツコツと思いつくところから開始したいと考えます。私共はドン・キホーテであるかもしれません。しかし淀川のために今はドン・キホーテが必要なのです。
  そこでお願いを申し上げます。「淀川水系外来魚対策基金(*)」を設置します。やはりいくらかのお金が必要になります。私共もささやかですが100万円を拠出します。どうかご芳志をお寄せ下さいますようお願い申し上げます。活動は4月に開始する予定です。「琵琶湖を戻す会」代表の高田昌彦が中心となって始めます。  私自身について申し述べますと、今年の2月で84才になりますので第一線の活動は無理ですが、淀川のイタセンパラの復活に余生を捧げたいと考えます。よろしくどうぞ。 (平成18年1月10日)
(*)口座名:三井住友銀行 上町支店 普通1238288 淀川水系外来魚対策基金 高田 昌彦

 お願い‐ご芳志を頂きます折に,誠に恐縮ですがご住所もしくはご連絡先を木村宛にお知らせ くださいますようお願い申しあげます。外来魚駆除と稀少後保護に関する情報を送ら せて頂きます。


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