イタセンパラについて
本年上期の報告を出す前に、淀川河川事務所長あて次の提言を送付しました。

 

淀川河川事務所 所長 吉田延雄 殿  平成16年5月6日

淡水魚の窓 木村英造・高田昌彦

劣化した淀川下流部のワンド群の環境回復のための提言

1980年代以後より城北ワンド群その他に異変が生じました。平常水位の上昇・植生の異常繁茂・水位変動頻度と変動幅の減少・泥の集積と水質の悪化などです。これは83年に竣工した淀川大堰の運用開始の影響によるものと存じます。
貴所においても実験ワンドの新設、淀川大堰の操作による水位変動の実験等対策を試みておられますが、残念ながら効果は薄いと考えざるを得ません。

このまま推移すれば城北ワンド群を中心とする下流部のワンド群の環境はますます悪化して、生息魚類はやがて死滅することになるでしょう。状況は正に切迫しております。

対策として必要な事は、適切な水位低下と流速によるワンド群の撹乱です。ワンド機能を更新させるための撹乱を起こさせるには、砂利採取を即時中止すると共に、深くなりすぎた本流筋を高水敷を削って埋め立てることが必要です。あえて再言しますと撹乱こそはワンド群再生の鍵であると考えられます。至急に検討されることを希求してやみません。

附言しますとすでに完成した樟葉ワンド群の新設は、淀川の環境保全のため、現下の最も有効な手段であると考えられます。流水域にワンドをつくることは、絶えずワンドに撹乱が生じるために極めて有効です。すでに貴所で計画されているようですが、下流部に向けて連続して3個のワンドの増設を速やかに施工されることを希望します。

以上提言を差し上げます。

誠意を込めた提言でしたが、この提言に対して2ヶ月以上経過した現在、なんらの回答に接していません。日頃市民の淀川の環境問題への関心を呼びかけているのに、これはどういう訳でしょうか。
われわれとしてはイタセンパラの主要生息地である淀川下流部のワンド群の機能保全のためには、このまま問題を放置することは出来ません。ただ後述するが、淀川水系のアユモドキ問題がかなり困難な状況に立ち至っているので、その解決のための努力を優先することにしたいと考えております。

アユモドキについて
ある希少生物実態調査で、大堰川水系亀岡市周辺のアユモドキ生息地調査に従事して、その報告を担当した高田昌彦は、平成16年6月11日、亀岡市役所に出頭して、アユモドキ生息状況調査に係る現状変更許可申請書を提出しました。この申請に対しては質問事項もあるので、京都府教育委員会へ出頭されたしとの連絡あったので、平成16年6月16日に出頭して質問に応じました。
ところが驚くべきことに、しばらくして高田あてに申請不受理の通知が届きました。少し長くなるが重要な文書ですので、その全文を掲げます。

先方の不受理通知全文

事 務 連 絡   
平成16年6月23日

高 田 昌 彦 様

亀岡市教育委員会  
社会教育課文化財係

アユモドキ生息状況調査に係る現状変更許可申請書について

 平成16年6月12日付にて協議のありました、天然記念物アユモドキの生息状況調査に係る史蹟名勝天然記念物現状変更許可申請について、京都府教育庁指導部文化財保護課と協議した結果、下記の通り回答がありましたので伝達します。

1.生息状況調査の実施について

  以下の理由により不受理とします。

2.理由

 調査内容、調査対象地域などが先行調査と重複していることから、天然記念物(アユモドキ)に対する調査圧が高くなりすぎると考えられます。
 種の保存の観点からも、稚魚及び生魚などに対する影響を極力少なくするためにも、重複した調査については避けて行きたいと考えます。
  調査地域が重複することによって、調査データの撹乱が起こりかねない状況です。

3.調査成果について

 高田様が、産卵等繁殖域と考えられている曾我谷川本線内のファブリダムによる一時水域において、孵化したばかりの仔魚が確認されており、同地点での産卵が想定される結果が岩田明久氏の調査で確認されています。その結果については、7月に中間報告として当教育委員会へ提出いただくことになっています。
  つきましては、先日京都府教育委員会で言われておりました曾我谷川における繁殖地の特定については、岩田先生のデータを利用していただければと考えます。
  なお、岩田氏のデータの利用については了解を得ています。

どうしてこのような失礼な応対が行われたかについて、われわれも裏面事情を調べました。この結果分かったことは、高田がアユモドキ保護に関して地元の悪口を言いふらしていること、次に高田は正規の研究者ではなく身元もよく分からないので、調査者として不適であることなどでした。

われわれがアユモドキ保護に関する地元の対応を批判したのは事実です。このHPにもそれは至るところで出てきますが、しかしそれは本当のことを述べたに過ぎません。アユモドキが種の天然記念物に指定されたのは昭和51年6月ですが、それ以来地元行政が本種保護のために一度でも対応したことがあったでしょうか。また高田の調査者としての資格について言いがかりをつけるのも卑怯ではありませんか。

既に平成14年度のタカラハーモニストファンドの第17回活動助成において“亀岡におけるアユモドキ繁殖地の調査”を行っている高田を、何故に調査者として不適と称しえるのでしょうか。

表向きの不受理の理由として挙げられていることは、高田が先行調査者であることが証明されている以上、何の理由にもなりません。今日までアユモドキの保護について何の措置もとっていなかった行政がでっちあげた後追い理由に過ぎません。

近く私どもは弁護士とも相談の上この不当な行政措置に対して法的手段に訴えることを考えています。このままでは淀川水系のアユモドキは絶滅するおそれが強いからです。みなさまの御声援を期待します。なお今回の報告は私の個人的事情のため1か月おくれました。深くお詫び申し上げます。

 なお大堰川支流曾我谷川のアユモドキ保護に関して高田が重要な提案を行っています。
繁殖に参加できるアユモドキの個体数を増やすためにはどうすればよいか。それにはファブリダム上手に非灌漑期にも定住できるような生息環境を新しく創出することです。そうすればファブリダムによるメリットのみを享受でき、遡上阻害というデメリットを無視することができます。以上の提案の詳細を知りたい方はご連絡を頂けばお送りします。

 なお岡山県のアユモドキの保護状況について若干報告します。平成16年7月4日岡山県瀬戸町において、瀬戸町教育委員会主催のアユモドキシンポジウムが開催され、多くの関係者が参加しました。瓜生川に生息するアユモドキを中心として本種の保護のためよい進展がありました。(平成16年8月1日)


ご意見をお寄せください。 eizou.k@d5.dion.ne.jp