
イタセンパラについて
以前に報告した楠葉の第二ワンドの工事は、本年2月4日に完成しました。面積は概算で2300平方メートル、同一水位では第一ワンドは約1200平方メートルです。
さてイタセンパラの緊急保全用ワンドという意味では、何はともあれ本種の産卵用二枚貝を至急に投入して繁殖させ、イタセンパラの誘引を図るべきだと言うのが、われわれエコロジスト側の主張です。ところが研究者の考え方では、そういう不自然な干渉は止めて、本種の自然流入を待つべきだということのようです。
異常に干渉を嫌う一部の研究者の気持ちはわからぬでもありませんが、本種の定着を図るために多少の助力を与えるのがそんなに不自然なこととは思えないし、今までかなり不自然な人間側の干渉もあったのに、そのことには触れないで、ひたすら自然の成り行きを待つというのは、納得できません。
さてこの話し合いは6月の淀川環境委員会で行われ。二枚貝の移植を主張する紀平肇氏の考え方がとおりました。淀川河川工事事務所も可及的速やかなイタセンパラの出現を希望しており、その結果7月に二枚貝移植を実施する事になりました。うまくいけばあるいは本年の9月以降の産卵期に、イタセンパラが楠葉ワンドに出現する可能性も考えられます。なお国土交通省近畿地方整備局が中心となって城北ワンド群のイタセンパラの保全に努力しているのは、誠にありがたいことです。現在本種の生息が見られるのはこの水域のみですからどうかこの努力が実ることを期待する次第です。
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| 楠葉第二ワンド 紀平肇氏提供 |
アユモドキについて
次に淀川上流桂川亀岡地区のアユモドキ保護問題ですが、状況はよくありません。
エコロジストの立場で桂川のアユモドキの生息調査に専念している高田昌彦氏の報告によれば、本年は米の減反問題があるのでこの地区の下手の水田は使わない。そのために水をためる為の堰は閉めないとのことでした。アユモドキが水田に遡上して産卵している可能性は高いのですが、これだけ意地悪されては本種の水田での産卵は出来ません。支流中流域の産卵適地を使うしかありません。
高田昌彦氏の産卵床調査も非常に難しくなります。同氏と紀平肇氏をはじめ協力者のかたがたのご努力が報われる事を祈るばかりです。それとともに淀川水系のアユモドキ生息地に関する新しい情報をおよせいただけないでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
なお岡山のアユモドキ生息地に関しては、岡山淡水魚研究会が水田を利用する本種の産卵活動の補助事業を継続しており、それが本種保全の為の重要な補給源となっております。また吉井川支流瓜生川のアユモドキ生息地が瀬戸町の町道建設計画と重なっている件については、その後瀬戸町側に若干譲歩の動きがあるやに仄聞するが、実情はよくつかめていません。岡山の旭川および支流の百間川河川敷に本種の生息地用ワンドが国交省岡山河川工事事務所の手で造成されました。本HPで主張した百間川流域中島大池の復活に関しては、一度岡山探研の会報に主張が掲載されたが、全然反響がありません。
アユモドキについてよい結果が出なくて申し訳ないのですが、以上で本年上期の報告を終わります。(平成15年6月)