
淀川水系のアユモドキの保全については、なかなか問題の核心がつかめませんでした。
平成13年10月6日私は高田昌彦氏とともに亀岡市で、丹波淡水魚研究会を主催する仲田丞治氏と会って、桂川に生息するアユモドキの保護に付いて相談しました。仲田氏は保護活動には関心がなく、現状のままそっとしておく方がよいと言う考え方なので、保全水域をつくるべきだと言うわれわれとは大分考え方が違っています。だから現在の生息状況の調査も十分には行われていません。これではいかんと思うのだけれど、天然記念物の生息地指定をとるにしても、地元が動かなくては何ともなりません。
いろいろ考えあぐねていた所、川那部浩哉博士(琵琶湖博物館長)の斡旋により高田昌彦氏がタカラハーモニストファンドから、桂川水系のアユモドキ生息調査のため25万円の資金の提供を受ける事が出来ました。この資金は平成14年6月初旬に受領しました。折りしもアユモドキの産卵期にあたり、この月下旬には稚魚が浮出します。高田氏は寝食を忘れて、亀岡市周辺の桂川の調査に取り組みましたが、残念ながら稚魚は捕れませんでした。
そこで9月15日の水田の水抜きの際の調査に専念する事とし、当日朝8時から高田氏は特に応援を頼んだ紀平肇、奥田悦夫氏および漁業関係者とともに広汎な調査を行ったが、やはりアユモドキは採捕できず、実に残念な次第でした。
次に岡山県の生息地におけるアユモドキの状況に触れます。
岡山淡水魚研究会(青雅一会長)との連絡で当方の百間川水系の旧中島大池再掘の主張を同研究会会報に掲載したいとの申し入れがあったので、「中島大池の再掘について」(1700字)と題して送付したところ、9月号に掲載されました。目下反響を期待しています。
次に7月11日岡山淡水魚研究会の小林一郎氏より連絡あり、吉井川支流瓜生川の水田とつながる用水路3箇所でアユモドキ稚魚を各2尾計6尾採捕したとのことでした。吉井川水系では最近には採捕の記録がなかったので、これは重要な報告です。ことに稚魚の採捕は本種が世代交代をしていることをうらづける証拠になります。これを基にして産卵場所を確認すればよいわけです。実に素晴らしい快挙であり、喜びにたえない次第です。
ところがこれに水をさす困ったことが起こり掛けています。それはアユモドキの生息地にまたがって瀬戸町の町道の建設計画が進んでいる事です。そんな事止めろといっても先方はアユモドキを歯牙にもかけてないから、阻止は大変なのです。8月から9月にかけて岡山探研はじめわれわれも含めて関係者が懸命に阻止運動を進めている状況です。
アユモドキは現時点で一番絶滅の恐れの強い淡水魚です。非常に少ない個体が広範囲に水田や用水路に散らばっています。もちろん本流にもいるはずです。ともかく産卵場を見つけてそれを守るのが、保護の基本戦略ですが、それがあまりうまく機能していません。岡山淡水魚研究会の水田管理による産卵方式が唯一の成功の実例です。
イタセンパラとアユモドキ、この2種の淡水魚を絶滅から守るのが本HPの使命と考えております。よろしくご指導ご協力くださいませ。
(平成14年9月30日)