見つけよう、伝えよう、素敵なアジアを。
                                  
            <アジアン倶楽部通信 2000年11月号>

あじくら 2000.11.




 アンニョンハシムニカ?みなさん、お元気ですか?しばらく間があいてしまって、どうもごめんなさい。私事ですごく忙しかったもので、通信を書く時間がありませんでした。ミアネヨ。 みなさんはこの夏から秋にかけて、どのようにお過ごしでしたか?朝鮮半島ではご存じの通り南北離散家族の再開が実施され、日本のメディアでも盛んに報道されていました。これに関する催しに参加された方もおられるかもしれませんね。メンバ−のMIHOさんはなんと、8月15日にソウルで開催された統一記念行事に参加されたそうですよ。MIHOさん、またの機会に詳しく聞かせてくださいね。今後は手紙のやりとりの許可、常設の面会所の設置、そして自由往来の実現に向けて、両国の合意が一日も早くなされることを期待したいです。


 韓日の文化交流がこのところ急速に進展してきていますが、日本のテレビドラマで韓国と日本の俳優が共演するニュ−スが二つ、新たに入ってきました。「大きな橋を架ける」と「聖徳太子」というドラマです。今秋の「もう一度、キス」と2002年の「フレンズ」とともに大いに期待したいですね。そういえば私が中国に行っている間に中村トオルと中国の女優さんが共演したドラマが放映されました。私は見られなかったけれど、どうでしたか?こんな風にテレビでもアジア各国との合作、共演がどんどん増えていってほしいですね。







       「グリ−ンディスティニ−」と「カル」を観たよ


 映画「グリ−ンディスティニ−」を観てきました。雑誌等でもよく取りあげられていたこの映画は、台湾出身でハリウッドでも活躍中のアン・リ−監督が初めて武侠映画に挑戦した作品です。アン・リ−監督は台湾での「恋人達の食卓」「ウェディング・バンケット」、ハリウッドでの「いつか晴れた日に」、「アイススト−ム」など、一貫して家族をテ−マにしたドラマ作りで高い評価を得てきた監督です。香港映画にありがちなアクションだけ突出してドラマは粗雑、という映画製作とは最もかけはなれた位置にいる監督だけに、カンフ−や剣術満載のアクション映画を撮ると聞いて驚きましたが、見て納得。カンヌ映画祭で喝采を浴びたのも当然の格調高い映画に仕上がっていました。この種の映画の集大成でもあり、また、新しいトレンドを生み出す力を持った作品だと思いました。

 お話はというと、亡き師の復讐と引退を望む心のはざまで揺れる剣聖(チョウ・ユンファ)、彼を愛する想いを内に秘めた女剣士(ミシェ−ル・ヨ−)、良家に生まれながら自由奔放に生きることを望む娘(チァン・ツィイ−)、その娘を愛する盗賊団の若き首領(チャン・チェン)の4人が、伝説の名剣を巡って戦い、愛し合うというスト−リ−です。中華圏の新旧スタ−が繰り広げる演技合戦、そしてもちろん武術シ−ンの完成度は今現在、世界で最高レベルのものです。特に武術シ−ンは斬新かつ美しい見せ場が盛り沢山。ミシェ−ル・ヨ−とチャン・ツィイ−が家々の屋根を文字通り飛び駆ける場面の疾走感に興奮し、同じくチャン・ツィイ−とチョウ・ユンファが竹林上(!)で剣を交わす場面の優美な美しさに見とれる、という具合です。宣伝では「マトリックス」の武術指導者ユエン・ウ−ピンがアクションを担当していることを目玉にしているのですが、これは変だよ日本人(笑)。香港映画のアクションの第一人者ユエン・ウ−ピンがハリウッドに招かれて「マトリックス」を担当したのだから、順序が逆でしょうが。いまだに欧米コンプレックスが抜け切れんのか?と思うとちょっと情けないぞ。

 そしてこの作品が中国武侠映画の伝統を受け継ぎつつも現代的なのは、ある意味で女性映画になっているからでしょう。ユンファの師匠を殺した女盗賊(チャン・ペイペイ)とその弟子(ツィイ−)、そして女剣士(ヨ−)という、3世代にわたる女同士の愛と確執が物語の基本になっているのです。そういう意味でむしろ女性に受けそうな作品だと思いますし、その他にも中国大陸の雄大な自然や人気チェリストのヨ−ヨ−・マの音楽、ココ・リ−が歌う主題歌と、見所、聞き所がたくさんあって本当に楽しめる作品ですよ。

 もう一本、映画の話を。韓国映画「カル」を見ました。シム・ウナ、ハン・ソッキュの「8月のクリスマス」コンビが共演しているこの映画、韓国で初めて猟奇殺人をテ−マにしたサイコ・スリラ−ということで話題になり、韓国・香港で大ヒットした作品です。「接続」でブレイクした新英チャン・ユニョン監督の最新作なのですが、「接続」は正直言ってそれほどおもしろいとは感じなかった私ですが、この「カル」にはハマってしまいましたよ。サイコ・スリラ−は基本的に苦手な私(「羊達の沈黙」程度が限界)が、もう一回見たくなった位ですから。

 ソウルで3つの殺人事件が発生し、被害者達は体をバラバラに切り刻まれ、1部分がなく、別の被害者のバラバラ死体と組み合わされて発見されます。ハン・ソッキュ演じるチョ刑事が捜査に乗り出し、3人の被害者と生前交際していた一人の女性スヨン(シム・ウナ)を捜しだしますが、ついにはスヨンとチョ刑事にも魔の手が迫ってきて…。と、いうようなお話なんですが、猟奇殺人だけあってショッキングな映像が続出し、けっこう恐いです。例のサカキバラ事件の記憶が未だ薄れていない今だけに、バラバラ死体を詰め込んだ黒いポリ袋が画面に出てくるだけでゾッとします。製作に3ケ月以上の時間と多額の費用をかけたという死体モデルはさすがの出来で、非常にリアルですよ。

 でも、この映画はそういうショッキングな場面のみを売り物にせず、コミュニケ−ションの断絶という現代的なテ−マを描いています。非常に緻密な脚本で凝ったスト−リ−なのですが、最後に犯人は分かるものの謎の全てが明らかにはされないので、見終わった直後は頭の中が???でいっぱいになります。つまらない映画なら腹が立つでしょうが、力のある映画なので自分なりに答え捜しをしたくなるのですよ。監督もそれを予め狙っていたとのことで、「インタ−ネットで完結する映画だ」と語っています。映画自体はスト−カ−や児童虐待、多重人格等、コミュ−ニケ−ションの断絶から起こる悲劇を描いているので、それを見た観客が登場人物達の動機などを想像してインタ−ネットのサイトで対話を行い、その対話を通じて少しずつ謎が解き明かされていくというプロセス自体を、一つの映画体験としようと構想されたようです。私に関する限りそれは見事に成功していて、この映画について見た人と話をしたくてたまらないのですが、残念ながらパソコン持ってないのでカル・サイトにアクセスできないという、‘断絶’状況に直面しています(笑)。韓国はパソコン持ってなくても、PCパンというインタ−ネットカフェが至るところにあるのでアクセスできるもんね。仕方がないのでパンフレット(よく出来ている)と1400円もする謎解き本を購入し、ますます製作者側の思う壷にハマってしまっている私です(笑)。

 映像や音響効果、選曲のクォリティの高さもさることながら、この映画の最大の成功ポイントはシム・ウナの起用にあると思います。神秘的で陰のある女性を見事に演じ切った彼女のカリスマ的な演技力があったからこそ、ある意味で観客に不親切なこの映画に説得力が生まれたと言えるでしょう。(もちろんハン・ソッキュもいつもより疲れた雰囲気が逆にセクシ−でよかったけれど)見に来ていた観客も新しい物好きという感じの若者が多く、韓国映画がおもしろいということが少しずつ日本人に浸透し始めているようで、とてもうれしいです。内容が内容なだけに誰にでもお勧めというわけにはいきませんが、メンバ−のI.Zさんみたいに手術シ−ンがあるから絶対病院が舞台のドラマは見ない、というような気の弱い方に特にお勧めします。フッフッフッ。








 

   ナグネのひとりごと 
  
   「排外主義者達」



 


 「永住外国人地方選挙権付与法案」が潰されそうです。やれやれ、まったく。テレビや新聞でも報道されていますが、全国3302の地方自治体中、1400余りの自治体がこの法案の賛成決議をしていて、これは都市の自治体が多いことから人口基準では日本人の70パ−セントが賛成していることになります。5〜6年前の世論調査でさえ47パ−セント位の賛成があったので、韓日和解ム−ドの進んだ現在では恐らく過半数を越していることでしょう。しかしながら、一部の政治家とマスコミ関係者の強烈な反発でストップがかかっていて、今期臨時国会での成立が難しくなってきています。9月に「外国人参政権の慎重な取扱いを要求する国会議員の会」なる会が衆議院議員22人、参議院議員11人によって結成され、右派ジャ−ナリズムと組んで(残念ながら総連等、在日KOREAN側で同調する人々もいますが)猛烈な反対キャンペ−ンを連日繰り広げています。

 反対派は憲法違反だと主張していますが、常日頃から改憲を唱えているのはこういった右派の連中なわけで、自らの矛盾を恥ずかしいと感じる感性など一切持ち合わせていないことがよくわかりますね。韓国本国でも与党3党の議員123人が実現を希望する書簡に共同署名して、日本の与野党主要幹部に送っており、既に外交問題化しつつあります。両国の首脳同士で約束済みのことなので、それも当然ですが。それにしても笑ってしまうのは、この会の会員のうち21人もの議員が韓日議員連盟の会員であることで、これは韓国側に衝撃を与えているようです。率先してこの法案実現のために動かなければならない議員達が、よりにもよって反対しているというのですから。結局のところ、この韓日議員連盟に所属している日本側議員達の多くが、韓国がらみの何らかの利権にありつきたい、という程度の意識しか持っていないからでしょうね。

 この法案が実現するにせよ、潰されるにせよ、一つだけよかったと思える点があります。それは今回のドタバタ劇を通して、日本においていまだにこのような排外主義勢力が強い影響力を有しているという事実が、国内および国際社会でくっきりと浮かび上がってきたことです。実際のところ、大部分の日本国民の多くは、人口1パ−セント以下の永住外国人に地方選挙権を付与したところで“実害”もないし、国際化時代の流れにも沿うことだし、特に反対する理由もないからあげてもいいんじゃない?特に戦前日本は韓国朝鮮人に悪いことをしちゃったんだし…いう位の意識ではないかと推測するのですが、それだけに強烈な拒否反応を示す人達の言動が目立つことは、決して悪いことばかりでもないような気がします。20年前にはこのような法案が国会で審議されることなど考えられなかった点を思えば、右派の連中が必死で巻き返しを図らねばならないほど状況が前進したと言えなくもないからです。

 それにしてもここ最近の日本右派勢力のでたらめぶりには、ほとほとあきれかえってしまいますね。右翼と親密な交際をしていた中川前官房長官は愛人と共に覚醒剤をやっていたとの疑惑がかけられているし、暴力事件を起こして問題になっている東京都の副知事は、昔右翼の活動家をしていた頃に石原慎太郎に拾われ、“鉄砲玉”として数々の暴行事件を引き起こしてきた人物です。いわばごろつきに等しい連中がこの国の権力の中枢に居座っていると言えるわけで、それを考えると森首相がああいう人物であることは当然のような気がします。それにしても森首相に対する批判はいまやこの国中にあふれかえっていますが、それを聞く度に選挙権のない私としては、いい気なもんだな、との感想を禁じ得ません。森首相をバカにするということは、それを選んだ日本人と日本国自身がバカにされても仕方がないと自ら認めているようなものではないでしょうか?この国の首相はいつから、下々の者が内心バカにしながらも自らの手で替えることのできない“バカ殿”になってしまったのでしょうか?少しでも政治に関心のある人がよく、与党はダメだが野党もだらしない、と気の利いたつもりの言葉を口にしますが、あんたは評論家か?とその度に腹立たしい気分になります。よい政治家を育てるということも有権者の責任であるとの自覚がないのではないか?この国の民主々義の成熟度が問われているのだと思います。

 ダメ押しでもう2点。石原慎太郎が昔自民党の議員だった頃、ある選挙の時、選挙区でライバルだった故新井将啓候補のポスタ−に、「この候補は帰化した元朝鮮人である。戦争になった時に日本を裏切るかも知れない人物を国会議員にしてはいけない」という旨の中傷ステッカ−を部下に貼らせて問題になったことがあります。同じく右翼の大物であった故野村秋介でさえ、これを“人間としてしてはいけない最低の行為だ”と強く批判しましたが、これと全く同じことを右派は今度の地方参政権付与法案でも主張しています。また、アメリカを持ち出して、アメリカは一切外国人に参政権を与えていないと主張していますが、国籍の出生地主義をとっているアメリカではそもそも在日KOREANのようにその国で生まれた人間は生まれながらにしてアメリカ国民であるわけで、前提条件を全く無視しています。

 だいたいアメリカを持ち出すならば、数年前にクリントン大統領が戦時中に日系人を強制収容所に収容したことを公式に謝罪し、一人当り200万円程度の補償金を支払ったことを併せて取り上げるべきです。日本政府は在日KOREAN、中国人の日本国籍を敗戦のどさくさにまぎれて奪い、基本的人権を侵害し続けてきたことを公式に謝罪したことが今まであるのでしょうか?国民年金、健康保険への加入など様々な制度上の国籍要件の撤廃、指紋押捺制度の撤廃など、全て在日側の運動および良心的な日本人と本国の支援で勝ち取ってきたもので、日本政府が率先して廃止したものなど一つもありません。現在、反対派は国籍取得要件を大幅に緩和して、全て国民化することで問題の解決を図るべきだとの主張をしていますが、何を今さら、です。そんなことは50年前に言えよな、まったく。どうせこの法案を潰すために言っているだけのことで、本気で永住外国人の無審査国籍取得など実行する気などないでしょう。今までの誠意のかけらもない言動を思えば、この連中に何も期待できないことは明白です。

 地方参政権と同様の問題で移民問題がありますが、少し前に新聞で、スイスの極右政党が外国人の移民抑制法案を提出して物議をかもしているとの記事を読みました。オ−ストリアのハイダ−党首率いる自由党のような右翼政党らしいのですが、見出しだけ読めばヨ−ロッパも排外主義で揺れているなとの印象を持ちかねませんが、よく読むと移民が多すぎるのでせめて全人口の20パ−セント(!)以下に押さえるべきだ、との主旨の法律なんですね。それすらも国内のリベラル派の強い反発を招いているとのことで、いまだかつて移民政策を実施したことのない日本とは全然違います。単純に数字だけ取り上げれば、ヨ−ロッパの極右政党よりもはるかに極右なのが日本の政権与党なわけですが、「ここが変だよ、日本人」では決してこのシンプルで本質的な問題は取り上げられませんね。日本の排外主義的な社会構造はじわじわとこの国にとって致命傷になりつつあるのでは、との認識を持っているので、今の私の気分は少し複雑です。(自分達だけで少子高齢化も、経済のグロ−バル化も乗りきれると思っているんだろう?東アジア経済圏の蚊帳の外で、消費税が30パ−セントになって年金が出なくなるまで、もっともっと困れば?にっちもさっちもいかないところまでいけばいいじゃん)という意地悪な悪魔くんのささやきと、(いや、そろそろ日本社会も本格的に変わっていくさ。日本人はそんなにバカじゃない)という天使くんの良識ある言葉の間で揺れているのが、正直なところです。

 と、ここまで書いたところで、外国人受け入れに関する世論調査の記事を朝日新聞で読みました。ジャストタイミング!単純労働者の受け入れ賛成64&と、思った以上に多くの日本人が外国人の受け入れに関して前向きなことがわかり、ほっとしました。(ちなみに定住外国人への地方参政権付与の賛成者は64%) どうやらこの国では一般人の方が指導者層よりも賢明なようですね。







 

     お勧めアジアンポップスCD

 


 
 










 

「ウ−ファン 2集」 ウ−ファン

 

中国琴

「ブル−ホライズン」 西村 由紀恵

 

中華ポップスピアノ集

「グリ−ンディスティニ−」

 

中米合作映画音楽

「幸福」 陳 明(チェン・ミン)

北京語

バラ−ド

「難得好天気」 許 茹芸(シュ−・ル−イン)
 

北京語
 

バラ−ド
 

パク・チユン4集

韓国

ポップス



 最近、全然CDを買ってなかったので、心を入れ替えて来月韓国に行った時にたくさん買ってきます!それではみなさん、アンニョン!!

<トップペ−ジに戻る>